埴輪はにわ盛装女子せいそうじょし

群馬県伊勢崎市豊城町横塚出土

古墳時代・6世紀

女子埴輪の大半は半身像ですが、この埴輪は珍しい全身像です。この女性は模様のない筒袖の服の上で、波模様の袖の無い服を重ね着しています。縦縞模様の「」と呼ばれるスカートをはいており、足は隠れています。弥生時代の女性はワンピースの貫頭衣を着ていました。上下分かれるツーピースの服装は、古墳時代に入って、中国大陸や朝鮮半島から伝った新しい文化です。

特徴的な髪型は、女性特有の島田髷です。結った髷を竪櫛で留め、額には鉢巻きを締めています。両耳には大きな耳環と小さな玉を付け、首や手首には玉を連ねたアクセサリーをしています。左腰にはなにか提げています、刀子でしょうか。

この女性は華やかに着飾っているため高い身分の人物であり、葬送の列や特別な儀式に参加している様子だと考えられます。