遮光器土偶しゃこうきどぐう

宮城県大崎市田尻蕪栗字恵比須田出土

縄文時代(晩期)・前1000年~前400年

が、近年の研究では目を強調したかったのでは、という説が有力だ。考えてみれば現代女性もアイラインやカラコンで“目力”アップに必死になっている。漫画やアニメに登場する美少女の目も現実にはあり得ない大きさだ。この土偶は3000年ほど前のものと推定されるが、当時も今も美の理想はあまり変わっていないのかもしれない。

今では全身茶色くなっているこの土偶だが、頭の冠状の飾り(結った髪を表現したと思われる)や胸元の飾りなどの凹んだところに赤い色が残っていることから、もともとは全身が真っ赤だったと考えられている。赤は燃える火の色であり、血液の色でもある。この像に燃えたぎるような力をこめたい、古代の人々はそう考えたのかもしれない。